今月の『 朗読タニザワ 12ピースのひとりごと 』の放送予定です。
・08.25(水) 14:05~ エフエム石川 『Afternoon Cruise』内
・08.25(水) 14:30~ FMとやま 『grace』内
・08.25(水) 18:30~ 岐阜エフエム 『EVENING TRIPPER』内
●前回の朗読詩をご紹介します。
不思議な予感で目を覚ますと、
この街に、夏が、来ていた。
窓を開ける。
押し入れから、扇風機を出したら、
風鈴を鳴らそう。
チリンチリーン。
冷蔵庫からは、キンキンに冷えたビールを。
ここには、悲しいニュースはなにひとつ、ない。
太陽はギラギラと輝いて、
空は、まるで闇のように深くて青くて、
雲は間抜けな顔で浮かんでいる。
この街にも、夏がやってきた。
僕は、夏が好きな理由は、いくつもある。
始まるとき、一番胸が躍るから、
というのが今浮かぶ一番の理由だが、
秋が始まる頃には、
終わるとき、一番寂しいから。
と、答えるだろう。
うだるような暑さの中で、
それでも浮かれた休日のにおい、
そしてその音色で、
僕はイメージする。
あの子のスカートが、ひらり、ゆれるところ。
僕はそれを見ている。
日焼けした肌と、汗ばんだ手のひら、胸元、背中。
ああ、そうか、と気付く。
僕は彼女に恋をしているんだ。
複雑なことが多い世の中だけど、
それは、とても単純で、明快なのだ。
そして、それは単純で、明快で、いいのだ
そう、これは仕方のないこと。
何故なら、今は夏なんだからね。